山口県で開催された23WSJで印象に残ったのは、世界のスカウトたちの元気と図太さです。逆におとなしくて行儀良すぎる?ところが日本のスカウトの特徴でしょうか。
先日も他の国の文化を知ることの大切さを知る出来事がありました。スカウトたちとキャンプをしていたところ、夕方になって谷に重低音を響かせて数台の車がやってきました。車から降りてきたのは、体中に入れ墨をした人も含む屈強な男たち数人。音楽を流したままキャンプ場をうろつき始めたので、「これはまずいことになった」と思い、リーダー2人で話をしに行きました。先方のリーダーと思しき入れ墨の人と話をしたところ、彼らは造船所などで働くブラジル人であること、仲間の子どもが生まれたので明日正午から100人規模のパーティーをすることなどがわかりました。話ができたことで一応安心はしたものの、ボーイのスカウトたちは少々ビビっている様子。しかも明日はカブスカウトたちがキャンプ場に遊びにくることになっています。さあ、どうしたものか?
以前雑誌で読んだ記事に、音響機器メーカーが製品を中南米向けにはより大きな重低音が出る仕様にして売っているとありました。普通のものは物足りなくて買ってもらえないからです。中南米の人々は週末ごとに大音量で音楽を流しながらパーティーをするのが大好きなこと、友人一家全員を招いて仲間をとても大切にする文化があるということが、記事にありました。そのことをスカウトたちに伝え、「日本の常識に従ってほしいところだけど、遠く地球の裏側からやってきて頑張って働いて、せめて迷惑のかからないところで仲間のお祝いをするということだから、彼らの文化を理解し受け容れよう」と話をしました。
翌日、カブスカウトも午前中に到着し、ブラジリアンパーティーも昼前にはスタート。ところがカブの中にはビビるどころか遊びにいってソーセージをごちそうになるものも出てきて、結局、こうしたことをきっかけに写真をとったりして交流することができました。「ブラジルでもスカウトを見たことがある」、「スカウトになったらあの子たちのように礼儀正しくなるのか」など、うれしい話も。
大盛り上がりのパーティーの最高潮と重なった退村式は、ほとんど声が聞きとれないものとなりましたが、スカウト、リーダーにとっても大変良い経験となったキャンプでした。