黒田 玲(BS新潟県連盟燕第1団)
北信越大会(昭和33年8月)が新潟と佐渡で開催されたとき、T氏が列車で新潟へ向かっていました。偶々同乗していた大会参加のボーイスカウトから、足の不自由なT氏が席を譲られたことに恐縮したそうです。
新潟までの車中、制服姿のスカウトを見ていると席の空いているときは座っていても乗客が入って来たときは席を立つということを繰り返していました。お礼にと持っていたお菓子をあげるとスカウト引率のリーダーの許可を得て「おじさん有り難う。」とリュックに収めるので「何故食べないの?」と聞けば「この先の地でキャンプをしていて、そこに帰ってから皆でいただきます。」と返事されたそうです。
それがボーイスカウトだと後で解ったのでした。アンノウンスカウトに似た出来事が、我が町にも是非欲しいと願ったのが団のはじまりでした。
アンノウンスカウトは周囲への感謝と配慮そして約束があらわされています。そして浄土真宗の生活信条には私たち日々の心得が記されています。
班集会・隊集会にかかわらずスカウトは唱和されていることと思います。
阿弥陀様に願われている私たちが、恵まれた尊い命に気付き、その寄りどころを教えに聞くことは力強く明るく生きる指針です。そして常わが行いを振り返り感謝し、互いに敬い助け合い社会の為に尽くすことはアンノウンスカウトそのものの姿です。
それは非日常の生活ではなく日常生活の場でのスカウト活動です。制服を着たときだけではない日常の中でのスカウテングでありたいですね。