みなさんは、スカウトソングの中で、「まなこひらきて みきわめよ みみ そばだてて ききただせ」という歌は知っているよね。みなさんはいろんなものをちゃんとしっかり見ているかな。ちゃんと見ていくといっぱい興味がわいたり、感動したりします。
たとえば、本願寺(西本願寺)の御影堂の向拝の左右に、石でできた大きな天水受けがあるのを知っているかな。その天水受けの下をよく見てみると、「天邪鬼(あまのじゃく)」 がいろんな顔や、格好をして下から支えていることに気がつきます。380年もの長い間、こうして 「天の邪鬼」 が支えてくれているから、天水受けは、天水受けとしての役割を果たすことができたのではないかな。
それでは、みなさんのスカウト活動を想像してみてください。キャンプに出かける時、いろんな準備をしなければなりません。そのためにどれだけ家族が支えてくれているでしょう。キャンプで安全に活動できるため、隊長や、周りの人が、どれだけサポートをしてくれているのでしょうか。楽しかったキャンプもそんな支えがあったからなのです。それは、スカウト活動だけではありません。私たちはこの世に生を受け、今までにどのくらい食事を取ったでしょうか。どれほどの人に支えられてきたでしょう。たくさんの方がたのご苦労や、たくさんの命で生きています。いや、生かされています。
みなさんは、キャンプやふだんの遊びの中で、影踏みをしたことがありませんか。夏の昼間は濃く短い影、夕方は長い影、春や秋は薄い影、電灯ではその光にあった影ができます。いろんな影を、私たちは見ることができます。しかし見えない影があります。それは「お陰」です。そのことに気づかされるのです。気づかされたとき、「お陰さま、有難うございます」と頭が下がります。そんな見えない影の分かるスカウトでありたいですね。
[スカウトニューズ復刻版第5号より]