本願寺派スカウト指導者会

浄土真宗本願寺派スカウト指導者会
スカウトヤーン

ボーイスカウトは何故キャンプなのか?

梁瀬 正文(本願寺派スカウト指導者会評議員・BS 高岡第29 団)

 大自然の中へ出かけるのはとても楽しいものですね。

 みなさんは、人里離れた自然のなかでキャンプをしたことがありますか?

 自分を守ってくれている家族や周りの人々、そして日頃たくさんの恩恵を受けている文明社会から遠く離れ、大自然の原始的な環境の中で仲間と共にキャンプをしたことがありますか?

 キャンプ初日の直面している問題は現実かつ急務、できることなら日没までにテントを立て、夕食の準備などを完了したいところです。したがって意見や考え方が違うからといって喧嘩をしている場合ではありません。お互い助け合わなければなりません。争いごとの解決策も自分たちで見つけなければ、暗くなっても事はいっこうに進まないことになります。

 むろん大人だからといっても例外ではありません。何時かは我慢の限界が来て少しずつ愚痴を言い出し、文句を言い合い、楽しいはずのキャンプが一転することになります。

 このような環境でのキャンプは、自分のわがままや無力さを自覚させられ、思い知らされもします。誰もが長所と短所を持った人間同士であることを理解し、協力や努力の大切さ、技能や知識、行動力の必要性も実感させられるでしょう。

 少しでも快適なキャンプ生活を求めるならば、創意工夫や創造力を発揮しなければなりません。

 また、共同生活では、役割分担とそれを成し遂げる責任感、指導性や協調性が必要であることを実感させられます。そして、人間関係の繋がりや秩序や道徳心をも必要に迫られ、やがては小さな自治の確立に繋がって行きます。

 助けたり助けられたり、教えたり教えられたりして、人は深い信頼関係と厚い友情で結ばれ、お世話できる喜びや、誠実で素直な心、そして、大自然の偉大さや豊かな恵み、自然の不思議や厳しさ、命の大切さや仕組みなど、最もシンプルな摂理を理解し、謙虚で感謝のできる心が養われるのです。そして、さらに多くの経験をかさね、冒険心や開拓心、独立心をも満させ、豊かな心を育むのです。

 どんなに辛いキャンプでも、力を合わせて協力し創意工夫をこらすことで、愉快なキャンプになるでしょう。

 

[スカウトニューズ復刻版第4号より]

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