本願寺派スカウト指導者会

浄土真宗本願寺派スカウト指導者会
スカウトヤーン

重し

白川 淳教(スカウト指導者会副理事長)

 川の上流に行くとイワナやヤマメという魚たちがいます。この魚たちは大雨が降って川が増水して荒れそうになると、自分で川底の石や砂を飲み込むという話を聞いたことがあります。

 なぜこんな事をするのだろうと思いました。理由は、石や砂を飲み込んでおけばそれが「重し」になって増水して川が荒れても流されていかないようにするためだそうです。専門家の方によると魚たちが石を飲むという本当の理由はわからないそうですが、私はなるほどなあと思いました。

 「重し」。わたしは毎日の生活で何か重しを持っているのかなあと思いました。

 私たちの毎日は、楽しそうなこと、おもしろそうなこと、心地よいことばかりが目に入ります。あぶないことをしてみたくなったり、いたずらをしたくなったりもします。みんなやってみたい事ばかりです。

 でも、したいまま、欲望のままに行動しませんよね。こんな事をしたらお父さんお母さんが悲しむかもしれない、隊長やリーダーにしかられるかもしれない、こんないたずらしたらお友達が悲しむかもしれないと思いませんか?

 こうやって私たちの考えやこころをなおしてくれるのが「重し」です。

 みなさんはどんな「重し」を持っていますか?

 国の法律、学校の規則、スカウトのやくそく、ちかい・おきて、お父さんお母さんとのやくそく、いろんな「重し」がありますね。みんな大切なものばかりです。

 私たち浄土真宗の仏教スカウトはもっと大切にしなければならない「重し」があります。それは阿弥陀さまの教えです。

 阿弥陀さまは私たちに人生というのはこう考えた方がいいよ、こう生きた方がいいよと親切に教えてくださっています。こんな事をしたら阿弥陀さまはどう思われるかな?と立ち止まって考えてみること、これが大切なことです。

 阿弥陀さまは私のことを見ていてくださいます。知っていてくださいます。一緒にいてくださいます。大切にしてくださいます。私たちの毎日には阿弥陀さまがいらっしゃいます。

[スカウトニューズ復刻版第3号より]

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