第23回世界スカウトジャンボリー
全体行事「宗教儀礼」におけるご門主様お言葉
本日は、第23回世界スカウトジャンボリーにおける宗教儀礼にようこそご参加くださいました。
70年前の8月に、日本の広島と長崎に原子爆弾が投下され、そして、第二次世界大戦が終わりました。この戦争によって、世界各地で多くの方が亡くなりました。
皆さんは、このジャンボリー期間中広島で、平和について学ばれます。しかし戦争の悲惨さを学ぶだけでは、平和にはなりません。
第二次世界大戦が終わっても、世界各地で戦争やテロが起こっています。
それだけでなく、他者を侮辱し、傷つけ、権利を奪い取るという、人の尊厳を傷つける行為は、世界各地でなくなることがありません。
私たちは、自分自身の信仰を大切にすると同時に、お互いの宗教を知り、尊重することによって、平和な社会の実現に向けて協力していくことができます。
ジャンボリー期間中、各国からの派遣隊の方と交流を深めてください。そして、皆さんが今住んでいる場所へ帰られてからは、まず、皆さんと親しい人が平和に暮らせるように努力をしてください。努力しなければ、平和な社会を築くことはできません。一人ひとりが努力することによって、必ずそれが大きな力となります。
この宗教儀礼を、平和な社会を築く第一歩といたしましょう。
2015年8月2日
浄土真宗本願寺派門主
ボーイスカウト日本連盟特別顧問
大 谷 光 淳
ボーイスカウト日本連盟特別顧問
大 谷 光 淳